2022年9月27日火曜日

国葬に思う

 本日、国葬が執り行われるようだ。

元首相が凶弾に倒れてから、この決定は早かった。

こんなに早く物事を決められるのだと驚いた。

首相の独断…とまでは言わないが、国会を通さなくていいということも。

あ、そう言えば、学校の一斉休校の時もそうだったか。

つまり、有事の際の首相の権限はそれだけ大きいということ。

それを独裁と言うつもりはない。

国家のトップにいる人間の権限とリーダーシップは大切だ。

ただ、違和感がありありだと自分が感じたのは。

もっと早く決めて、実行すべきことがもっとあったのでは?ということ。

コロナ禍然り、経済政策然り、その他外交上の問題然り。

あ、今回の国葬は外交上の理由も大きいか。


それにしても、暗殺(敢えてこう言う)直後は。

世論も国葬はありという風潮もあったように思う。

反対の声も少なくはなかったが、過半数は賛成だったのでは?

しかし、宗教の問題が湧き上がって来て、風向きが大きく変わった。

それでも、当初決めたことは最後まで押し通された。

何かを決める時。

早計で判断を誤ることもあるだろう。

間違うのは恥ずかしいことじゃない。

でも、間違いに気付けなかったり、認められないのは恥ずかしいことだ。

前言撤回をすることは恥ずかしいことじゃない。

そのチャンスは充分あったはずだ。


あ、そもそもが間違いだと思っていないのか。

それなら、議論は噛み合うはずがない。

しかし、人の意見に耳を傾けることは大事だ。

特にそれが公人の場合。

「信念を貫き通す」

この姿勢はもちろん大事なのだが。

それは、あくまで「個人」のレベルに置いてではないのか。

何があっても自己責任、これは個人だからできること。

公人は、個人の主義主張とは別に、社会の福祉のために働く。

果たして、今回は、その社会の声に。

充分耳を傾けてくれたのだろうか。


今回のことに関して。

民主主義の崩壊という言葉も目にする。

でも、そもそもこの国に民主主義ってものはあったのかな。

自分達で権利を勝ち取った経験のない国民性。

古くから朝廷やら幕府やら、トップダウンに従ってきたこの国。

誰かの決定に、個々には文句を言っても、最終的に素直に従う。

脳みそを誰かに預けておいたほうが楽だから。

そういうところに付け込まれたのかな。

次の選挙まではまた随分と時間がある。

喉元過ぎれば…ってことにまたなるのかな。


話がそれてしまった。

自分が今回の国葬に関して反対なのは。

別に税金がどうとか、決め方がどうとか。

そこはまぁ、無視はしないがそれほど重要でもなく。

国葬というのは、故人の「死に方」で決めてはいけないと思う。

人である以上、100%善ということはないでしょう。

だけど、いつ時代の、誰が見ても、その功績に対して。

多くの人が、それこそ大多数の人が。

国葬に値する立派な人だったという判断のできる人。

例えば、彼の人が。

あと30年普通に生きられたとして。

30年後に天寿を全うされたときにも。

時の総理大臣や国民が「国葬」という判断をできるかどうか。

在職期間中にも様々な問題を抱えておられた方で。

功績だけでなく、功罪の罪の方もたくさん疑惑があった。

もし仮に、30年の間に「罪」の方が明らかになったとしたら?


今回の国葬の件に関して、唯一と言って良い、評価できることは。

あらためて、この国のあり方について問題提起がなされたこと。

奇しくも、直前になって、「国葬とはかくあるべき」というような。

素晴らしいセレモニーが行われたこと。

そこにも大きな意味があるのではないかな。

これからの生き方が大事だと思う。


願わくば、疑惑は疑惑のまま闇に葬り去られず。

今後も、功罪について、今回の判断について。

しっかり検証をしていってもらいたい。

今になって去年のオリンピックもドロドロのものになってる。

30年後のこの国と国民が。

「あのときの国葬は間違いだった」と反省していることを願う。

あ、そのときは自分もまだ生きているかも。

だとしたら、願うだけではダメだね。


あ、それから、最後に。

今回の決定について、法的根拠に基づいているから問題ない。

という主張に対して一言。

今ある法律が絶対に正しいという根拠はあるのかな。

今ある法律が正しくて完璧なものであるならば。

なぜ、現政権は憲法改正を主張しているのか。

今の世の中に合わなくなっているものがあるから。

見つめ直して、より良いものにしていく。

この観点は大事です。

だから、今ある法律にも疑問をもち。

見つめ直していくことが大事です。

それをしなくなったら、完全な思考停止だと思います。


いずれにしても、自分は国葬には反対です。

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