みちのく車旅5日目(気仙沼〜岩手〜八戸)

 5日目は、まず花巻市を目指すことにしました。

塩釜から気仙沼まで海岸線を走ってきたので、ここから内陸へ。

もともと、盛岡に行きたかったので。

（ちなみに、自分は東北は岩手の平泉までしか行ったことがなかった）

この旅では、なるべく有料道路や高速道路は使わずに移動。

幹線道路を走ると、いろんな道の駅が出てきます。

マップを買って全部回るほど道の駅ファンでもありませんが。

移動中、道沿いに見つけたところは、ほぼ寄り道。

この「むろね」も「とうわ」もそのひとつ。

途中、馬や牛を見ました。

もちろん、野生ではありません。

盛岡に向かう途中に訪れたのが花巻市。

自分は宮沢賢治については、ほぼほぼ素人。

だけど、自分の周りにも宮沢賢治とその世界に魅せられた人は多い。

なので、自分も少しでもその感覚を得ようと、まず宮沢賢治童話村に訪れました。

「やまなし」は教科書で見たけど。

何が言いたいのか、実は今でもよく分かりません。

子どもが食べたがる「やまなし」を。

「うまい酒になるまで待て」という父親の感性…。

家長制度が強かった時代、がそうなのか？

あ！

やまなしが酒になる頃には、子ガニも成人しているのか？

今、初めてそんなことに思いが向けられたぞ。

ううむ、深いぞ、宮沢ワールド。

賢治の学校、賢治の教室を見てきました。

「注文の多い料理店」の洒落を効かせた表示が楽しい。

せっかくなので、昼食もそんな場所へ。

「山猫軒」という、その名のまんまのレストランへ。

猪肉入りの「鹿踊(ししおど)りそば」というのを食べました。

鹿踊りの面のようなレイアウトのお蕎麦。

フォトジェニックなはずなのに、すっかり撮り忘れて完食。

「注文の多い料理店」のように。

何枚も扉があるわけではありませんが、なかなか楽しいお店でした。

眺めも良かった。

そして、次に向かったのが「イーハトーブ館」

アニメの上映があり観ていましたが、食後に涼しい暗室では…(-_-)zzz

展示やお庭も細かいところまで手が行き届いていました。

花時計が見どころのひとつ。

宮沢賢治記念館もありますが、そこまでは行きませんでした。

他にも、宮沢ファンお勧めの場所はたくさんあったでしょうが。

ほんの少しだけ、宮沢賢治の世界に触れて、花巻を後にします。

この日の一番の目的は、盛岡市です。

盛岡と言っても、ピンポイントで盛岡城址を目指しました。

ここは、「一握の砂」の作者で有名な石川啄木が。

「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸われし十五の心」と詠んだことで有名な場所。

自分は熱心な石川ファンというどころか。

彼の作品は、ほぼこれしか知らない。

中学校だったか、高校だったか、教科書で読んだ程度。

後から、啄木はロクデナシだったという豆知識を得たぐらい。

そうそう、「はたらけどはたらけど…」も啄木の歌でしたね。

その程度のことしか知らないのに。

なぜだかふと「不来方の…」の句が頭に降りてきたのでした。

ちょうど、お遍路参りを終えた頃、風呂で湯船に浸かっていたときでした。

考えてみれば、自分は「不来方(こずかた)」がどこかさえ知らない。

「一握の砂」「石川啄木」という「言葉」は受験のために得た知識。

そしてその言葉は受験から30年近く経った今でも脳内に蓄積されている。

でも、それだけ。

「不来方」がどこにあるのかさえ知らないという、中途半端さ。

そこで、今になって調べてみて、不来方が盛岡だと知りました。

ここは、是非ともその「不来方」を訪れておきたい。

そして、お城の草に寝転んでみたい。

ただ、それだけのためだけに不来方を目指したのです。

だがしかし・・・。

このみちのく車旅において。

結果的に、最終日を除いて、唯一の雨が降ったのがこのとき。

まったくもって不思議な話ではあるのだけど。

花巻ではあんなに晴れて、暑かったのに。

盛岡に向かう途中から猛烈な雨！

ワイパーが最速で稼働しても前の視界が怖いほど悪い。

いわゆる「ゲリラ豪雨」ってやつ。

岩手に限らず東北各地で観測されたみたい。

後から、カーラジオでもいろいろと聞こえてきた。

盛岡城址に着いたとき、多少小降りになって落ち着いていたけど。

とても、草の上に寝転べる状況ではなかった。

なので、2日目に思いがけず訪れた小峰城址で。

「疑似体験」できて良かったのだった。

（こちら、白河市小峰城址での「疑似体験」の模様）

まぁ、せっかくわざわざ訪ねていったのに。

一番やりたかったことができないあたり、ネタとして面白い。

そんなこんなで盛岡城址見学はおしまい。

この先はノープランでした。

そこでこの日の宿を探してみたものの、盛岡が意外と高かったこともあり。

とりあえず北を目指すことにしました。

で、向かったのが八戸。

結果的に、岩手県は泊を伴わずに素通りすることになってしまいました。

魅力的な場所はたくさんあったのだけど。

これが、今回の旅の流れだったのでしょう。

ごめん、岩手。

また今度、次はじっくりと岩手を観光します。

本日の走行は269.3km。総走行距離が千キロを超えて1022.3kmに。