いよいよ、88番目、最後のお寺となりました。
大窪寺(おおくぼじ)は、87番と同じくさぬき市にあります。
長尾寺から16km余り、車で25分程度離れています。
この日は、始終雨が降り続いていました。
大きな藤棚がありました。
良い季節のときにはさぞかし綺麗だと思いました。
このお寺も、開いたのは行基菩薩だと言われ、大変歴史があります。
他のお寺同様、戦国時代の「天正の兵火」や。
火災等で、幾度も存続の危機があったそうですが。
高松藩主の庇護や歴代御住職のご尽力で興隆されました。
駐車場から、山門を通らずにご本堂に向かってしまったようです。
ご本堂についたとき。
何人か先の参拝者がいました。
数名の小グループの御婦人方。
お御籤を引かれて、はしゃいでいました。
他にも参拝者がいる中で、ご本堂で、大きな声で…。
自分が蝋燭やお線香の準備をしている間中ずっと。
その中でひときわ大きなお声の女性が。
「お御籤は、お神様が云々カンヌン・・・」
・・・ここ、お寺ですけど?とは口に出しませんが。
早くその場を離れてくださることを願っていました。
その願いは届いたようで、読経の際は静かに行えました。
最後になっても、自分の煩悩は大きいままでした・・・。
大師堂に向かい、とりあえず最後の般若心経。
いよいよ最後…という特別な感情が湧くでもなく。
想像したのとはまったく違った感情で。
淡々と唱える自分がいました。
八十八ヶ所巡りが終わるという実感を得られませんでした。
この旅(お遍路巡り)の当初の目的は。
自分の煩悩と向き合い、少しでも成長すること。
・・・そのはずだったのですが。
本当に、何も知らないまま。
「ただ88箇所を巡ることそのもの」
が目的だったことに気づきました。
そのことに気づいただけでも、良かったのだと・・・。
自分ではそう思うしかありませんね。
自分の人生の中に。
「とりあえず四国八十八ヶ所を巡りました」
そういう事実だけが残りました。
旅はまだまだ始まったばかり、だということです。
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