2022年4月16日土曜日

三十五番札所 清滝寺(5日目)福山さんとの出会い

35番は清滝寺、きよたきじです。
 34番札所から車で20分ちょっとですが。
最後、とんでもない急坂が待っていました。


高知市を出て、土佐市にあります。
着いたら、団体の参拝者がいました。
正直、団体の参拝者がいるとがっかりします。
タイミングが悪いと、納経でひどく待たされるからです。


団体の場合、先達(せんだつ)と呼ばれる人と。
旅行会社の添乗員がいます。
先達さんが寺を案内、説明したり、読経を先導したり。
その間に添乗員さんが、団体客全員分の納経を請け負います。
納経所に一人しかいなくても。
大量に納経帳が置かれていることがあるのです。


 








2周目以上の方は、御朱印を押すだけですが。
自分たちのように1回目の人は文字も書いてもらいます。
なので、団体さんに初心者の方が多いと。
それだけ、待つ時間も多くなるわけです。
(何度も訪れている方の納経帳は、御朱印で真っ赤になってます。
どこが何回目か、もう御本人にも分からないと思われます)

果たして、ここでは大量に納経を待つことになりました。
でも、ここに関しては、それが嬉しい誤算となりました。

納経を待っている間に、次に並ばれたご老人が声をかけてきました。
「横浜の方ですか?」
そうですと答えると、「ああ、あの赤い車の方だ」と。
その方は、34番札所でお見かけしたバイクの福山さんでした。
(お名前は不明なので、便宜的にナンバープレートでお呼びします)

待っている間に、お話を聞かせて頂くことができました。
福山さんの納経帳が年季が入っていたので。
「何回も回られているのですか?」と尋ねると。
「6周目」とのことでした。

さらに続けられた言葉が
「74(歳)の時にバイクの免許を取って、それから…」

はい?

「失礼ですが、おいくつなんですか?」

「今、81です」と。

御年81歳で、福山から650ccのオートバイで高知まで。
日帰りで往復600kmほどを走られるそうです。

この清滝寺の急坂も、大きな単車を操って…。
「すごいですね・・・。」
陳腐な言葉しか出ませんが、本当に凄い方でした。

奥様を亡くされた後、免許をお取りになって。
ご供養に八十八ヶ所巡りを始めて、現在6周目。
そのほとんどは、泊を伴わず、福山から日帰りで来られるそうです。
この日は、次の36番さん(青龍寺)まで回られるとか。

人生でも、お遍路参りでも大先輩の福山さんに尋ねました。
「何回も回られていて、印象に残っているお寺はどこですか?」

福山さんは、75番の善通寺だと仰っていました。
弘法大師様と結縁できる場所があるのだとか。
真っ暗の中を歩くと教えてくれました。

また、次に行く青龍寺は、階段が多くて大変だと。
そういう心づもりがあるのとないのとでは大違い。
大変ありがたいご助言でした。

ようやく納経が終わり、自分が車を出そうとするとき。
福山さんは椅子に座って簡単なお食事を取られるところでした。
ちゃんとご挨拶できなかったのがやや心残りだったのですが…。



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